膠着感漂う北朝鮮情勢、期待感出てきた米国債務上限問題

今朝の日経朝刊(9/7)早読み。ハリケーン「ハービー」に続いて「イルマ」がフロリダを襲おうという中、災害対策費用捻出のためにも米国債務上限引上げと政府機能のシャットダウン回避は米国議会を動かすだろう。ただ北朝鮮情勢は当面はグレーなままだ。

新型リーフをスペックを聞く限り、EV普及はまだまだ先の話、思惑先行と思われる。

1. 【1面】「ESG投信」初上場

環境対応や企業統治など社会的責任に優れた企業を選ぶとするESG投資のETFが9月下旬に上場するという。正にESGブーム。どうして日本人はこうもアルファベット3文字に弱いのだろうか?パッシブ運用ブームと、GPIFが一兆円程度ESG投資に振り向けると7月に発表したからとのことだが、流行りものという気がしてならない。ベンチマークは3種類あるので、まずはその個々のベンチマークのパフォーマンスの良し悪しを今後見ていきたい。努々TOPIXなどと比較することの無いように。

2. 【2頁 総合1】習氏、ネット統制に執念

中国当局は国外のネットワークに接続するVPN(仮想私設網)の規制に乗り出した。日本国内でも企業のネットワークではセキュリティー対策から、アクセス可能なURLやコンテンツを制限するところが多いが、その個人向け国家版と考えると理解し易い。記事にもある通り、また会社のパソコンの不自由さを一度でも味わったことがある人なら理解出来ると思うが、外部アクセスが自由に出来ないパソコンほど使いにくいものはない。それでも日本では自分のスマホを使えば何処へでもアクセス出来る逃げ道があるが、中国はスマホのアプリも完全禁止にしたようだ。アラブの春のような出来事が起こるのを危惧しているのかも知れないが、情報は規制するものでは無く、そのリテラシーを高めるべきものだと考える。子供からパソコンやスマホを取り上げるのではなく、有害なコンテンツの存在を理解させてアクセスしないようにする躾と全く同じだと思う。「世界の最先端の研究結果に触れ、多角的な視点をはぐくむ機会が減る」とか、「ビジネスの種を見つけたり、世界経済の動きを見極める情報が減ったりすれば、起業や経営の判断に支障をきたす恐れもある」と言ったまともな声が上がる以上、何らかの弊害か反動が起るものと思われる。

3. 【2頁 総合1】米、「最強の制裁」めざす 対北朝鮮、石油など3分野盛る

米国は国連安全保障理事会で採択をめざす追加制裁案に、北朝鮮への石油輸出や労働者の国外派遣、繊維製品の輸出制限の3分野が盛り込む。8月までの制裁項目で不足した最後の蛇口を閉める内容だ。1面にある通り習氏が「平和的解決の方向性を堅持し、対話や総合的な施策に基づいて長期的な解決の道を模索しないといけない」と強調している以上、中国とロシアが完全に同調してくるとは思えないが、ゼロ回答は出来ないだろうと思われる。ただその回答次第ではしり抜けの制裁になることは必定。国連安保理での決議が待たれる。

4. 【2頁 総合2】EV普及、実用性の時代 日産が新型「リーフ」、フル充電で400キロ

記事を見て、あらためてEVが内燃機関やHVに完全に取って代わることはまだ当分は無理だということを確信した。何故なら、実はある驚きをもってこの記事を読んだが、初代リーフの航続距離は僅かに200キロと東京―大阪間の直線距離の半分程度、その後280キロまで延ばし、今回満を持してのフルモデルチェンジ後で、フル充電で走れる距離は従来の1.4倍の僅か400キロ。すなわち、目的地での充電を考えなければ片道200キロのところまでし行けない。当然ドライバーは「あと何キロ走れるか?ガス欠(電欠)は嫌だなぁ」とゼロになるまでは絶対に走らないので、実際はそれよりも八掛け程度になるであろう。そんな航続距離の車では、街中のお買い物車としては使えても、一家のファーストカーや営業マンの足にするのは、到底まだ難しいと思われる。

5. 【4頁 政治】好景気でも歳出拡大
【5頁 経済】ボーナス減、消費に影

有効求人倍率が高止まりし、完全雇用の状態が続き、最高益を更新する企業が多いというのに、7月の名目賃金は14か月振りに前年を下回った。一方、アベノミクスの下、黒田バズーカを打ちまくった挙句に、日銀は6度も物価安定目標達成先送り。つまり期待されている賃上げが起きておらず、消費が喚起されていない。すなわち、国民は政府発表のような好景気感を味わっていないということだ。この感触を受けて、早くも大型の補正予算を組もうという動きが政府与党内にはある。団塊世代は既に賃上げの恩恵を受ける給与所得者でなく年金受給者。されどこの層が政治家にとっては狙い目の美味しい層だ。大型補正予算を子育て支援に使っても、この層の票は取り難い。日本の将来と政治家の本音を図る上でも、この流れは要注目だ。

6. 【13頁 企業総合】東芝が半導体新工場、岩手に建設準備

東芝が半導体メモリーの新工場を岩手県北上市に建設する準備を始めると発表した。北上工場を拡張する形で、データ容量を増やせる次世代型の3次元メモリーの生産能力を引き上げるためと言うが、一方でこの半導体事業は売却先が中々決まらずに債務超過の為の上場廃止に向けてカウントダウンが始まっている状態のもの。Samsungにこれ以上遅れを取ったら、折角の金の卵を産む鶏が、ただの卵しか産まなくなることだけは現経営陣も理解しているようだが、どう考えても決裁する順番が違うだろうという印象が強い。四日市でWDとの合弁事業でメモリーを作りながら(売却予定)、片手では新たな工場を債務超過でも建てるという離れ業は、銀行団や投資家の理解は到底得られまい。