地に足の着いたAIの解説、AIの画像認識精度向上は機械の眼

月曜日の日経朝刊は、自分自身が休日明けで、まだ頭がお休みモードであるだけでなく、記事の内容/密度もあまり読んでも面白くないものが多い。しかし今朝の日経朝刊(8/7)の「AIは何をもたらすか(上)「眼の誕生」、産業構造を一変」という経済教室のそれはいつもと違い熟読するに値する。

1. 過熱しているAI報道と市場の期待

既に何度かお伝えしたと思うが、AIというキーワードは、今や魔法の打ち出の小槌の如く語られている風があり、非常に注意が必要な存在だ。何でもかんでも「AI、AI・・・」と騒がれて、あたかもアンドロイドのような人造人間や、映画「Knight Rider(ナイトライダー)
」に出てくる、まるで生き物のような車がそう遠くなく誕生し、一方で人々の職業を奪っていくような話まで一気に流布されているのが現状だ。しかしそれはまだまだあくまでSFの世界に過ぎず、投資の世界で夢を追うなら、現実的な正しい現状認識と、ちょっと先の夢を描く程度なのが丁度いい。

2. 画像認識の精度が急激に上がり、コンピューターに眼ができた

コラムによれば現状を「人工知能(AI)の分野ではディープラーニング(深層学習)という技術により、ここ数年、画像認識の精度が急激に上がった。換言すればコンピューターに眼ができた」(日経新聞朝刊8/7より引用)と認識/定義している。ディープラーニングということについても、少々勉強をしておいた方が良いと思われるが、「コンピューターに眼ができた」というのは非常に正しい現状認識であり、ここを原点として投資家としての夢を描くだけでも、相当にリアリティのある投資が可能になると思われる。浮かれ過ぎると日本のネットバブルの時のように酷い目にあう人も出て来る筈だ。あの頃は本当に何でもかんでもネット関連とし、渋谷をビットバレーなどと呼んで飛んでもないベンチャー企業までを買い漁っている人が居た。

3. 画像認識(イメージセンサー)とディープラーニング

残念ながら、ディープラーニングの世界では、日本は世界の後塵を拝していると言わざるを得ない。著者(松尾豊・東京大学特任准教授 )が指摘するように、それは日本の硬直的な人事制度や理解不足の事業計画によると思われるが、前者、すなわち画像処理については日本が確実に一日の長をもっているというのは、私がここでその企業名を敢えて上げる必要もないことだろう。ディープラーニングのような世界を日本がリードして行く為に障害になっているのが日本固有の人事制度にあるということには同意するが、残念ながら、これはそう容易くは変わることはない。というより、変わることを期待する方が無理かも知れない。それが日本人のメンタリティなのだろうから。

4. コンピューターに眼がついたら出来ること

コンピューターに眼が付いたら出来るだろうと思われることを考えるだけでも楽しくなる。現在でも極めて身近なものとして車の衝突防止装置や前車自動追従装置がある。自動運転まではまだ行かなくとも、徐々に徐々に眼を持ったコンピューターが身近な機械に取り込まれてきている。医療用の画像処理技術もその一例だ。何万枚、いや何億枚というレントゲン写真を画像処理してディープラーニングしたコンピューターが診断に多くのヒントを与え、その次のステップとしては、コンピューターの眼で補助しながらの手術までも視野には入ってくる。優秀な手先の器用な外科医をサポート出来るようになるかもしれない。こう言った話を考えただけでも、多くの日本企業の名前が私の頭には浮かぶ。調査し、投資するのに充分値するだろう。

5. ニッチを探すだけでなく、大物釣りも楽しもう

日本の証券業界の悪い習慣として、何かこういう新しい話があると、どこか聞いたこともないようなニッチな企業をほじくり出してきて、「これが10倍、20倍にも大化けしそうです」と、あたかも神のご託宣を受けたかのような商売をすることがある。確かに、ニッチなところにダイアの原石があるのも事実である。でも、実際はダイアの原石の筈だった話が、実はただの石コロの場合の方が圧倒的に多いのが現実である。それよりは地道でも、着実に取り込んでいきそうな大物釣りを楽しんだ方が、この手の話の時はトータルリターンが高くなる。何よりも、正しくビッグピクチャーを描かないといけない。

6. 眠たい月曜日の朝に・・・

週明け、なかなかエンジンが始動しない寝ぼけた頭には、こうした記事からの連想ゲームを楽しむのが良いのではないか?きっと、今週何か良いことがあることを願うように。