Amazon.comはまた何かをしでかそうとしているのかも

今朝の日経朝刊(7/28)には三つの大きなトーンが流れているように思う。①政治の衰退(今に始まったことではないが・・・)、②Amazon.comなど時価総額5000億ドル企業の話、そして③欧州が後押しするEV(電気自動車)の明るい未来といったところか。

1. 詰め切れない政治

自衛隊の日報問題で稲田防衛大臣が辞任を発表したかと思えば、民進党の野田幹事長に続いて、ついに蓮舫代表も辞任の意向を伝えた。つい一昨日まで加計問題や日報問題で、安倍政権に対する倒閣や政権交代が政治面のテーマになっていて、あまりゴタゴタされても困ると思っていたが、どうやら攻め手の側が自壊してしまったようだ。これで当面野党第一党(支持率は6%程度)は政党としての発信力が暫く弱まることは必至であり、残る野党は支持率3%台なので、特に刺激的なことには成り難い。本来、国政に真摯に取組んで貰わないと困る、この国の存亡に関わるような話が山積している筈だが、永田町に期待するのが無理なのだろうか。都政が国政紛いに話題をさらっても全く意味がないのだから。

2. Amazon.comの決算は市場予想に届かなかったが・・・

さて、現地27日の引け後に発表されたAmazonの決算は、終わった期の利益が市場予想に届かず、第3四半期は利益が出ないと発表されたようで(執筆時に確認している情報の確度ですので要確認)、引け後取引では株価は下がっている。折角、米国企業の4番目の時価総額5000億円達成と朝刊が報じたばかりなのに。だが、これを額面通りに受け取ったら大間違い。

3. ジェフ・ベゾスはWall街を相手にしていない

これは有名な話(分厚い本ですが「ジェフ・ベゾス 果てなき野望」などに詳述されています)だが、Amazon創業者であるジェフ・ベゾスには、Wall街のアナリストを喜ばせてあげようなどと言う気持ちは全然なく、平気で市場予想をミスるのは日常茶飯事のこと。実に彼の眼中に、Wall街は入っていない。一方で寧ろ「第3四半期は利益が出ない」と予想しているところにこの会社の凄みを感じ、同時に期待を抱く。先日のAmazonプライムデーでは対前年比プラス60%の売り上げを達成する勢いの会社が、今期第3四半期においていきなり売り上げが大幅ダウンして赤字になるとは誰も思わない。だとすると、何かまた大きな事を何か考えているに違いないと思われる。

4. AWS(Amazon Web Services)の導入時からもそうだった

典型的な例が、今やCIAもメインサーバーとして使っていると言われるAWS(Amazonのクラウドサービス)。このビジネスのスタート時もそうだったが、何度も大きな設備投資や研究開発費の計上などがあり「今期はガッツリ利益が出そうだ」と踏んでいた多くのWall街アナリストの期待を裏切ってきた。そしてその都度、株価は一旦暫く調整するのだが、ジェフ・ベゾスの真意がわかるや株価は回復、そして今日に至っている。あの創業者の頭にある絵は果てしなく大きいことだけは事実である。寧ろ、決算発表で市場が失望した時の後の方が面白い。別に時価総額が全米No.1に今ならなくても、そんなことは一切気にしない人なのだから。同社の動静からは、やはり当分目が離せない。

5. にわかに騒がしくなってきたEV周りの話

フランスに続き英国が2040年にガソリンなど化石燃料で走るエンジン車の販売を禁じる方針を発表したことを受けて、電気自動車(EV)に関する話題が一気に盛り上がりを見せている。背景には、ディーゼル車の不正排出ガス規制対応などがあるのは事実だが、突然EV、EVの連呼が起こるのも妙なものである。そんな簡単にEVが出来たり、進歩したりするものではなく、それこそ各自動車メーカーなどは、もう20年以上も綿々と開発を続けてきている。2001年の映画で「ドリブン」という自動車レースものがあったが、その当時のトヨタ車が転倒すると、自動車のお腹側(通常は見えない)にPANASONICの文字が浮かぶというのは、業界ではあまりにも有名な話だった。つまり、トヨタがPANASONICと電池開発で共同していたからである。

6. パワー半導体は、日本勢がリード出来る

富士電機という、あまりデジタル機器絡みのハイテク話では登場してこなかった会社が、パワー半導体の雄として記事では紹介されている。某自動車部品メーカーのエンジニアに、今後面白い会社ということで同社の名前を聞いていたのは、10数年前。その理由がこのパワー半導体。地味な存在ではあるのだが、独SIEMENSなどもパワー半導体を小型の電子機器用に注力してしまっていた結果、エアコンや冷蔵庫などの大きな電流が流れる機器のパワー半導体の分野の研究開発を地道にやっている企業が少なくなってしまったのが背景。富士電機はそんな中で地道に開発を続けていたため、HVカーなどの段階から、急激に自動車用途での利用に花が開いたという話。ここで生まれた一日の長は、そう簡単には詰め切れない筈だそうだ。

Amazonの話にEVの話。永田町の陰湿な話に比べると、何と面白い展開が期待出来る話なのか。これからもこの分野からは目が離せない。

(追記)決算発表の内容

Amazonの決算、売上は $38 billion, 市場予想$37.2 billionをきっちりbeat、一株当たりの利益は40 cents (市場予想は $1.40), 第三四半期に関しては、売上 $39.25 billionから $41.75 billionと Y.O.Yで20%~28%上昇を予想。市場予想は$40 billionだからこれも無難にクリア。ただボトムラインでは、△$400 million lossから△$300 millionの赤字を予想.

これみてドキドキ、ワクワクしないようなら、Amazonの株を買う資格は無いですね。